「乱菊、今戻ったぞ」
いつもより遅く帰宅した隊長の声が聞こえ、あたしは立ち上がり玄関で出迎える。
「お帰りなさい」
「ああ、ただいま」
案の定、隊長の両手には4つの袋がぶら下がっていた。きっと、あたしの体を労って、
お夕飯の材料を沢山買い込んだのだろう。
「どうだ?調子は、ちゃんと四番隊に行ったか?栄養豊富な物を沢山買ったから、それ食ってもう少し休んでろ」
「あっ…あの!…その事でお話があります」
あたしは小さな声で呟くと、隊長も真剣な顔つきに変わった。
「どうかしたのか?」
「ここでは…とりあえず荷物を台所に持って行ってからで」
「そうだな」
そう言って隊長が持ってる袋を持とうとすると、隊長はやんわりと拒否した。
相変わらず女使いが分かってる人。そんな所が少し憎たらしい。
そして、台所に荷物を置くと、居間に行き、お茶をついで2人は座布団の上に座る。
2人は黙って湯のみを手に取りコクリと喉を潤す。熱い緑茶が冷めた体に染み渡った。
「それで?話とは何だ?」
コトリと湯のみを置くと、隊長は早速本題に入る。あたしも湯のみを置いて隊長の目を見つめる。
「今日…四番隊に行って診てもらって来たんです」
「…ああ、それで?」
「………………ご懐妊だそうです…」
聞こえるか聞こえないかぐらいの小さな声で、あたしは隊長に赤ちゃんが出来た事を伝えた。
すると
「本当か!それは!」
「………はい」
そう叫ぶと、隊長はあたしをぎゅっと暖かく抱きしめてくれた。
「でかしたぞ乱菊、ありがとう」
「…ーっ」
隊長の喜びと優しい声に…あたしは涙を流した。